海外進出という大きなチャレンジにおいて、必要となる投資コストを把握し管理することはとても重要です。オーストラリア市場に新たに参入する際に必要となる代表的な投資コストについて、以下ご紹介します。
※各企業の参入スタイル・分野・規模など様々な要素によって実際に必要となる投資コストの内容や金額は大きく異なります。
※為替レート「1AUD=100円」にて試算しています。
1. 市場調査・現地視察・市場テスト
市場動向・顧客ニーズ・競合他社などを特定し、オーストラリア市場を理解することは大切なファーストステップです。現地のコンサルティング会社や調査会社を活用するとともに、現地視察を行い自分の目で確かめましょう。また顧客ニーズを確認するための市場テストの実施も有効です。
■コストの目安:
10,000 – 50,000 AUD (100万 – 500万円)
■主な内容:
- 調査レポートの入手、現地視察や展示会等への参加
- 顧客ニーズの把握と顧客分析のためのアンケート調査、インタビュー等の実施
- 独自の価値提案と優位性を特定するための競合他社の調査と分析
- 遵守すべき現地法および規制の調査
- テスト営業、テストマーケティング
2. 会社設立、法務・財務管理
現地の法律や規制に準拠するための枠組みや、現地での企業成長のための財務効率化の枠組みが必要になります。適切な専門家のアドバイスを得て、持続可能な市場参入の基盤を築きましょう。
■コストの目安:
15,000 – 80,000 AUD (150万 – 800万円)
■主な内容:
- 会社設立、登記費用
- 口座開設、会計管理費
- 税務対応、為替リスク対応
- 現地の基準を満たしたコーポレートガバナンスや各種契約ガイドラインの設定
3. ITインフラおよび労働力の確保
現地での業務の運用と管理を確立させるためには、ITインフラと現地労働力の確保が欠かせません。どのようなITインフラや現地スタッフが必要になるかしっかり想定し準備しておきましょう。
■コストの目安:
- ITインフラの確保 5,000 – 100,000 AUD (50万 – 1000万円)
- 従業員の確保と管理 フルタイム従業員 1 人あたり 50,000 – 500,000 AUD/年 (500万 – 5000万円/年)
■主な内容:
- インターネットをはじめとする社内ITインフラの構築
- 業務管理やバックオフィス管理ソフトウェアの導入
- 従業員の給料、福利厚生、教育、管理費
4. 営業・マーケティング、現地パートナーの選定と提携
新たな市場における顧客基盤を築いていくためには、営業活動やマーケティング、現地パートナーとの提携が非常に重要になります。現地に合った戦略を立て、現地でのブランドの確立を目指しましょう。
■コストの目安:
20,000 – 150,000 AUD (200万 – 1500万円)
■主な内容:
- 営業、マーケティング戦略立案費
- 各種営業費用、広告費
- デジタルマーケティング費
- 各種ブランドデザイン費
- パートナー選定と提携のための費用
5. 不動産・設備投資、サプライチェーン管理
店舗やオフィスの最適なエリアや物件の選択、生産性を高める設備投資、効率的な物流設計は、現地での運用基盤の要となります。ビジネス戦略に合わせて慎重に設計し準備を行いましょう。
■コストの目安:
- 不動産および各種設備投資
初期 30,000-150,000 AUD (300万 – 1500万円)、 2,000 – 20,000 AUD /月 (20万 – 200万円/月)
- 物流や倉庫の確保
10,000 – 100,000 AUD (100万 – 1000万円)
■主な内容:
- 不動産、内装、水道電気ガス等のインフラ
- オフィス設備、店舗設備、在庫管理設備
- 物流、倉庫、輸送費
以上、ご参考になれば幸いです。 実際に参入される際にはビジネスモデルや規模に合わせて綿密な計画を立てた上で、投資コストを試算する必要があります。オーストラリア市場進出をご検討の際は、お気軽にご相談ください。