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オーストラリアの就労ビザ|種類・取得方法・費用・期間|NC Connect

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オーストラリアで外国人労働者を雇用するには、適切な就労ビザの取得が不可欠です。2024年12月には従来のTSSビザ(サブクラス482)がSkills in Demand(SID)ビザへと全面移行し、さらに2025年7月には給与基準が改定されるなど、制度は大きく変化しています。本記事では、日本企業がオーストラリアで人材を雇用する際に必要なビザの種類、申請方法、費用、審査期間、そして最新の制度変更まで、雇用主の視点から網羅的に解説します。

この記事のポイント
2024年12月、TSSビザ(482)がSkills in Demand(SID)ビザに完全移行。職業リストもCSOLに統合された
・2025年7月より給与基準が改定:Core Skills Stream 76,515豪ドル、Specialist Skills Stream 141,210豪ドル
・必要職務経験が2年から1年に短縮、永住権申請までの期間も3年から2年に短縮
・主要ビザ4種類(SID・ENS・RSMS・NIV)の比較表と費用一覧で最適なビザが分かる
・雇用主がスポンサー登録からビザ取得まで行うべき手順をステップ形式で解説

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オーストラリア就労ビザ制度の最新動向【2024年12月改正】

オーストラリアの就労ビザ制度は、2024年12月7日に大幅な改正が施行されました。この改正は、オーストラリア政府が国内の人材不足に対応しつつ、移民制度をより柔軟かつ効率的なものにすることを目的としています。日本企業がオーストラリアで人材を雇用する際には、この最新の制度変更を正確に理解しておくことが極めて重要です。

TSSビザからSIDビザへの移行とは

2024年12月7日をもって、従来のTemporary Skill Shortage(TSS)ビザ(サブクラス482)は廃止され、新たにSkills in Demand(SID)ビザ(同じくサブクラス482)へと移行しました。TSSビザでは短期(Short-term)と中長期(Medium-term)の2つのストリームに分かれていましたが、SIDビザでは「Core Skills Stream」「Specialist Skills Stream」「Labour Agreement Stream」の3つのストリームに再編されています。

この移行の最大の意義は、永住権への道が大幅に広がった点にあります。旧制度では短期ストリームの保持者は永住権申請ができませんでしたが、SIDビザではすべてのストリームの保持者が186ビザ(Employer Nomination Scheme)を通じた永住権申請が可能になりました。企業にとっては、優秀な外国人人材の長期的な確保がしやすくなったことを意味します。

CSOL(Core Skills Occupation List)の導入

制度改正に伴い、従来の複数の職業リスト(STSOL、MLTSSL等)はCore Skills Occupation List(CSOL)に統合されました。CSOLには456の職種が掲載されており、従来のリストから70以上の新規職種が追加されています。新たに追加された職種には、データアナリスト、サプライチェーンアナリスト、ツアーガイド、チャイルドケアワーカーなどが含まれ、オーストラリアの変化する経済ニーズを反映した内容となっています。

CSOLは定期的に見直しが行われる仕組みとなっており、2025年8月にはJobs and Skills Australiaによる最新の労働市場分析に基づく改訂作業が進められています。企業がビザ申請を検討する際には、雇用したいポジションの職種がCSOLに掲載されているかを事前に確認することが不可欠です。最新のリストはオーストラリア移民局の公式サイトで確認できます。

2025年7月以降の給与基準改定

2025年7月1日より、SIDビザに関する最低給与基準が改定されました。Core Skills Streamでは従来の73,150豪ドルから76,515豪ドルに引き上げられ、Specialist Skills Streamでは135,000豪ドルから141,210豪ドルに引き上げられています。この給与基準は毎年見直しが行われるため、申請時点での最新の基準額を必ず確認してください。

なお、給与基準はビザ申請時だけでなく、雇用期間中も維持する必要があります。基準を下回る給与を支払った場合、スポンサー資格の取消しやビザの無効化につながる可能性があるため、企業の給与設計においては十分な余裕を持った設定が求められます。オーストラリアの最新の経済状況や賃金動向については、オーストラリア経済の最新状況も併せてご確認ください。

オーストラリアの就労ビザの種類と比較

オーストラリアには複数の就労ビザカテゴリーが存在し、企業の雇用目的や候補者のスキルレベルに応じて最適なビザを選択する必要があります。ここでは、日本企業がオーストラリアで人材を雇用する際に主に利用する4種類のビザについて、それぞれの特徴を詳しく解説します。

【比較表】主要就労ビザ4種類の比較

項目SIDビザ(482)ENSビザ(186)RSMSビザ
(187)
NIVビザ(858)
ビザの性質一時就労ビザ永住ビザ永住ビザ(地方限定)永住ビザ
最大滞在期間4年永住永住永住
最低給与基準Core: 76,515豪ドルSpecialist: 141,210豪ドルTSMIT基準に準拠TSMIT基準に準拠約15万豪ドル以上
職務経験要件1年以上(直近5年以内)3年以上3年以上卓越した実績
永住権への道2年勤務後に186ビザ申請可直接永住権直接永住権直接永住権
職業リストCSOL(456職種)CSOL準拠地方向け拡張リスト指定先端分野
申請費用3,115豪ドル4,770豪ドル4,770豪ドル4,240豪ドル
標準審査期間2〜6か月6〜12か月6〜12か月案件による
スポンサー必要必要必要必要不要(推薦者は必要)

Skills in Demand(SID: 482)ビザ

SIDビザは、オーストラリアで最も広く利用されている就労ビザであり、雇用主がスポンサーとなって外国人労働者を一時的に雇用するためのビザです。最大4年間の滞在が認められ、その後の永住権申請への道も開かれています。

SIDビザは3つのストリームで構成されています。Core Skills Streamは、CSOLに掲載された幅広い職種を対象とするストリームで、医療、エンジニアリング、IT、建設業など多岐にわたる分野の人材をカバーしています。2025年7月以降の最低給与基準は76,515豪ドルです。Specialist Skills Streamは、高度な専門性を持つ人材を対象とし、職業リストによる制限がなく、年間141,210豪ドル以上の給与が支払われるポジションであれば申請が可能です。Labour Agreement Streamは、オーストラリア政府と個別に締結した労働協定に基づくストリームで、特定の産業や地域における人材不足に対応するために設けられています。

2024年12月の改正により、職務経験要件が従来の2年以上から1年以上(直近5年以内)に短縮されたことも大きな変更点です。これにより、比較的経験の浅い人材でもビザ申請が可能になり、企業の採用の幅が広がっています。

Employer Nomination Scheme(ENS: 186)ビザ

ENSビザは、雇用主の推薦に基づいてオーストラリアの永住権を取得するためのビザです。SIDビザが一時滞在を前提としているのに対し、ENSビザは最初から永住を目的としている点が最大の違いです。特に高度なスキルを持つ労働者の長期的な確保を目指す企業に適しています。

ENSビザには主に3つの申請経路があります。Temporary Residence Transition(TRT)ストリームは、SIDビザ保持者がスポンサー企業で2年以上勤務した後に永住権を申請する経路です(従来は3年でしたが、2024年12月の改正で短縮されました)。Direct Entry Streamは、SIDビザを経由せず直接永住権を申請する経路で、職業スキル評価と3年以上の実務経験が一般的に求められます。Labour Agreement Streamは、労働協定に基づく申請経路です。

ENSビザの取得には、対象職種のスキル評価を関連する評価機関から取得する必要があり、また英語能力についてもIELTS各バンド6.0以上(またはそれに相当するスコア)が求められる場合があります。

Regional Sponsored Migration Scheme(RSMS: 187)ビザ

RSMSビザは、オーストラリアの地方地域(Regional Area)での雇用を条件とした永住ビザです。シドニー、メルボルン、ブリスベンなどの大都市圏以外の地域で人材を確保したい企業にとって、非常に有力な選択肢となります。

このビザの最大のメリットは、地方地域という条件がある代わりに、申請プロセスが比較的迅速であり、ENSビザに比べて職業リストの要件が緩和されている場合がある点です。地方で事業を展開する日本企業にとっては、優秀な人材を永住権の魅力で引きつけることができるため、人材確保の有効な手段となります。ただし、ビザ取得後も一定期間は指定された地方地域に居住・就業する義務があるため、候補者への事前説明が重要です。

National Innovation Visa(NIV: 858)

NIVビザは、AI、バイオテクノロジー、フィンテック、サイバーセキュリティなど、オーストラリアが国家的に重要と位置づける分野において卓越した能力を持つ専門家を対象としたビザです。最大の特徴は、永住権が直接付与される点にあり、一時ビザを経由する必要がありません。

NIVビザの収入基準は約15万豪ドル以上とされており、申請には当該分野における国際的な実績や業界からの推薦が求められます。対象者は限定的ですが、先端技術分野の高度人材を獲得したい企業にとっては、永住権を即座に提供できるという大きなインセンティブになります。

SIDビザの申請プロセス【雇用主向けステップガイド】

SIDビザはオーストラリアで最も利用頻度の高い就労ビザであるため、ここではSIDビザの申請プロセスを雇用主の視点から4つのステップに分けて詳しく解説します。他のビザ種類についても基本的な流れは共通する部分が多いため、参考にしてください。

ステップ1:スポンサー認定の取得

SIDビザの申請にあたり、まず雇用主がオーストラリア移民局からStandard Business Sponsor(SBS)としての認定を受ける必要があります。スポンサー認定を得るためには、オーストラリアで合法的に事業を営んでいること、事業登録(ABN・ACN)が有効であること、財務的に健全であること、そしてオーストラリアの労働法を遵守していることを証明しなければなりません。スポンサー認定は一度取得すれば複数の外国人労働者のビザ申請に利用できるため、継続的に海外人材を雇用する予定がある企業は早めに取得しておくことをお勧めします。

ステップ2:労働市場テスト(LMT)の実施

スポンサー認定を取得した後、雇用主は対象となるポジションについて労働市場テスト(Labour Market Testing: LMT)を実施する必要があります。これは、オーストラリア国内で適切な人材が確保できないことを証明するためのプロセスです。

具体的には、オーストラリア政府が指定する求人媒体に当該ポジションの求人広告を4週間以上掲載し、応募状況や選考結果を記録として残す必要があります。求人広告にはポジション名、業務内容、必要なスキルや経験、給与水準などを明記する必要があり、形式的な広告ではLMTとして認められない場合があります。LMTを適切に実施しなかった場合はビザ申請が却下される主要な原因となるため、移民コンサルタントや弁護士のアドバイスを受けながら進めることが望ましいです。

ステップ3:ビザ申請とオンライン手続き

LMTの完了後、申請者(従業員側)がオーストラリア移民局のオンラインシステム「ImmiAccount」を通じてビザ申請を行います。この段階では、雇用主が準備した指名申請(Nomination Application)と、申請者自身のビザ申請(Visa Application)の2つの申請を並行して進めることになります。申請時には、後述する必要書類一式をオンラインでアップロードします。申請料の支払いもこの段階で行われます。

ステップ4:審査・承認

申請が受理されると、オーストラリア移民局による審査が開始されます。審査期間中に追加書類の提出を求められることがあるため、迅速に対応できる体制を整えておくことが重要です。SIDビザの標準的な審査期間は2〜6か月程度ですが、Priority Processing(優先審査)を利用すれば4週間以内に結果が出る場合もあります。審査が完了し承認されると、申請者にビザの付与通知が送られ、オーストラリアでの就労が可能になります。

オーストラリア就労ビザの必要書類

就労ビザの申請にあたっては、雇用主側と従業員側の双方がそれぞれ書類を準備する必要があります。書類の不備や不正確な情報は審査の遅延や申請却下の直接的な原因となるため、事前の準備を徹底することが成功の鍵です。

雇用主側の必要書類

雇用主は、スポンサー認定申請および指名申請に際して複数の書類を準備する必要があります。まず、事業登録証明書(ABN・ACN登録証明)とスポンサー登録証明書が基本となります。これに加えて、企業の財務的健全性を示す財務報告書(直近2年分が望ましい)と、納税証明書が求められます。

労働市場テスト(LMT)に関連する書類としては、求人広告の掲載証拠(掲載先の媒体名、掲載期間、広告内容の記録)と応募状況の記録が必要です。さらに、申請者との間で締結した雇用契約書には、職務内容、給与、雇用条件等を明記する必要があり、給与がSIDビザの最低給与基準を満たしていることが確認されます。オーストラリアでの会社設立や事業登録の詳細については、オーストラリアでの会社設立ガイドも参考にしてください。

従業員側の必要書類

従業員(ビザ申請者)は、個人に関する書類を一式準備します。パスポートのコピー(有効期限が6か月以上残っていること)が最も基本的な書類であり、これに加えて履歴書・職務経歴書を提出します。職務経歴書には、申請する職種に関連する実務経験を具体的に記載することが重要です。

学歴の証明としては、学位証明書やその他の資格証明書が必要であり、職種によっては当該分野の評価機関によるスキル評価(Skills Assessment)の取得も求められます。英語能力の証明についてはIELTS 5.0以上(またはそれに相当する英語試験のスコア)が一般的な基準となりますが、ビザの種類やストリームによって異なる場合があります。このほか、健康診断の結果(オーストラリア移民局指定の医療機関で受診)と無犯罪証明書(Police Clearance Certificate)の提出が必須です。過去の雇用主や同僚からの推薦状も、審査にプラスの影響を与えるため、可能であれば準備しておくとよいでしょう。

オーストラリア就労ビザの費用一覧

オーストラリアの就労ビザ取得にかかる費用は、ビザの種類、スポンサー登録の有無、そして各種付随費用を合算すると相当な金額になります。企業が予算を策定する際には、ビザ申請費用だけでなくトータルコストを把握しておくことが重要です。

ビザ申請費用

ビザの種類申請費用(主申請者)備考
SIDビザ(482)3,115豪ドル家族帯同者は別途費用発生
ENSビザ(186)4,770豪ドル永住ビザのため高額
RSMSビザ(187)4,770豪ドル地方地域限定の永住ビザ
NIVビザ(858)4,240豪ドル卓越した人材向け永住ビザ

スポンサー登録費用

企業がスポンサーとしてSIDビザやENSビザの申請を行う場合、事前にスポンサー登録が必要であり、その申請料は企業規模に応じて420〜1,200豪ドルの範囲で設定されています。中小企業であれば420豪ドル程度、大企業の場合は1,200豪ドル程度が目安です。スポンサー登録は一度行えば複数年にわたり有効であるため、継続的に外国人雇用を行う企業にとっては初期投資として捉えることができます。

また、スポンサー企業にはAnnual Training Levy(年間研修費負担金)の支払いが義務付けられており、年間給与の1〜2%をオーストラリア人労働者の研修・育成に充てることが求められます。これはオーストラリア政府が自国民の雇用機会と技能向上を確保するための制度です。

その他の関連費用

ビザ申請費用とスポンサー登録費用に加えて、以下のような付随費用が発生します。健康診断はオーストラリア移民局指定の医療機関で受診する必要があり、費用は200〜500豪ドル程度です。英語試験(IELTSなど)の受験料は300〜500豪ドル程度、無犯罪証明書(警察証明書)の取得にも数十〜数百豪ドルの費用がかかります。さらに、移民コンサルタントや弁護士に依頼する場合は別途コンサルティング費用が発生しますが、申請の成功率を高めるうえでは検討に値する投資と言えるでしょう。

審査期間と申請スケジュール

就労ビザの審査期間はビザの種類や申請内容によって大きく異なります。企業の採用スケジュールに影響するため、目安となる審査期間を把握したうえで余裕を持った計画を立てることが重要です。

SIDビザ(482)の標準的な審査期間は2〜6か月です。ただし、Priority Processing(優先審査)の対象となる場合は4週間以内に結果が出ることもあります。優先審査の対象となるかどうかは、職種や申請の状況によって移民局が判断します。ENSビザ(186)およびRSMSビザ(187)は永住ビザであるため審査がより慎重に行われ、標準審査期間は6〜12か月とされています。NIVビザ(858)は案件ごとに審査期間が異なり、一概には言えませんが、推薦者や実績の確認に時間がかかるケースがあります。

審査の遅延を防ぐためのポイントとしては、申請書類に不備や矛盾がないことを事前に十分確認すること、追加書類の提出要求に対して迅速に対応すること、そしてスポンサー登録やLMTを早い段階から着手しておくことが挙げられます。特に、財務報告書の内容と雇用契約書の給与水準の整合性、LMTの記録の正確性は審査官が重点的にチェックするポイントです。

永住権への移行パスウェイ

オーストラリアの就労ビザ制度において、企業が外国人人材を長期的に確保するうえで最も重要なのが永住権への移行パスウェイです。2024年12月の制度改正により、永住権取得のハードルが大幅に下がったことは、企業の人材戦略に大きな影響を与えています。

最も一般的なパスウェイは、SIDビザ(482)からENSビザ(186)のTemporary Residence Transition(TRT)ストリームを経由するルートです。従来はスポンサー企業で3年以上の勤務が必要でしたが、2024年12月の改正で2年以上に短縮されました。さらに、旧制度では短期ストリームのTSSビザ保持者は永住権申請ができませんでしたが、SIDビザではすべてのストリームの保持者がこのパスウェイを利用できるようになっています。

ENSビザのDirect Entryストリームを利用すれば、SIDビザを経由せず直接永住権を申請することも可能です。この場合は職業スキル評価の取得と3年以上の実務経験が求められますが、すでに十分な経験を持つ人材であればビザ取得までの期間を短縮できる可能性があります。

地方地域で雇用する場合は、RSMSビザ(187)を通じて最初から永住権を付与することも選択肢となります。また、AI、バイオテクノロジー、フィンテックなどの先端分野で卓越した実績を持つ人材であれば、NIVビザ(858)による直接的な永住権付与も視野に入ります。企業としては、候補者のスキルレベルや自社の雇用計画に応じて最適なパスウェイを選択することが、優秀な人材の確保と定着率の向上につながります。

雇用主が押さえるべきポイントと注意事項

オーストラリアで外国人人材を雇用する際には、ビザの種類や申請手続きだけでなく、採用計画全体を見据えた戦略的なアプローチが求められます。ここでは、雇用主として押さえておくべき重要なポイントを解説します。

採用計画とビザ戦略の立て方

外国人人材の採用を検討する際には、まずポジションの職種がCSOLに掲載されているかを確認し、該当するビザの種類と給与基準を把握することが出発点となります。CSOLに掲載されていない職種であっても、Specialist Skills Stream(年間141,210豪ドル以上の給与)やLabour Agreement Streamでの申請が可能な場合があるため、選択肢を幅広く検討してください。

スポンサー登録は事前に済ませておくことで、具体的な候補者が見つかった段階でスムーズにビザ申請に移行できます。LMTの実施にも4週間以上を要するため、採用スケジュール全体を逆算して計画を立てることが重要です。また、ビザ申請に伴う費用(申請費用、スポンサー登録費、コンサルティング費用など)の予算を事前に確保し、財務面での準備も怠らないようにしましょう。

地方採用の優遇制度(RSMS活用)

オーストラリアの大都市圏以外の地方地域で事業を展開している、あるいは展開を検討している企業にとって、RSMSビザ(187)の活用は大きなアドバンテージとなります。地方地域では都市部に比べて人材確保が困難な傾向にありますが、RSMSビザであれば最初から永住権が付与されるため、候補者にとっても魅力的な条件を提示できます。

地方地域の定義はオーストラリア移民局が指定しており、シドニー、メルブルン、ブリスベン以外の多くの都市が地方地域に該当します。パース、アデレード、ゴールドコーストなども地方地域に含まれるケースがあるため、自社の事業拠点が該当するかを確認してみてください。地方採用を活用した長期的な人材戦略は、オーストラリアでの事業拡大を目指す企業にとって検討に値するアプローチです。

よくある質問(FAQ)

Q1. SIDビザとTSSビザの違いは何ですか?

TSSビザ(Temporary Skill Shortage)は2024年12月7日をもって廃止され、SIDビザ(Skills in Demand)に置き換えられました。主な違いとして、SIDビザでは3つのストリーム(Core Skills、Specialist Skills、Labour Agreement)に再編され、永住権への道がすべてのストリームに開かれました。また、職業リストが複数のリストからCSOL(Core Skills Occupation List)に統合され、必要職務経験が2年から1年に短縮されています。既にTSSビザを保持している方は、現行のビザ条件のもとで滞在を継続でき、永住権申請も可能です。

Q2. 英語力が低い候補者でもビザ申請は可能ですか?

SIDビザの英語力要件は一般的にIELTS 5.0以上(各バンド4.5以上)とされていますが、ビザの種類やストリームによって異なります。英語力が基準に満たない場合でも、Labour Agreement Streamなど一部のストリームでは要件が異なるケースがあります。また、Specialist Skills Streamでは高額給与の支払いが条件となるため、英語力要件が柔軟になる場合もあります。ただし、実際の就労においてはオーストラリアの職場環境で必要なコミュニケーション能力が求められるため、企業としても候補者の英語力向上をサポートする体制を整えておくことが望ましいでしょう。

Q3. ビザ申請が却下された場合、どうすればよいですか?

ビザ申請が却下された場合、Administrative Appeals Tribunal(AAT)に不服申し立てを行うことが可能です。不服申し立ての期限はビザの種類によって異なりますが、通常は却下通知から21日〜28日以内です。却下の理由としては、書類の不備、LMTの実施が不十分、給与基準を満たしていない、職業リストに該当しないなどが一般的です。再申請を行う場合は、却下理由を十分に分析し、不足していた点を改善したうえで申請することが重要です。移民コンサルタントや弁護士の専門的なサポートを受けることを強く推奨します。

Q4. スポンサー企業を変更することは可能ですか?

SIDビザ保持者がスポンサー企業を変更(転職)することは可能ですが、新しい雇用主が改めてスポンサー認定を取得し、新たなビザ申請(ノミネーション)を行う必要があります。旧スポンサーのもとでの雇用が終了してから新しいスポンサーのビザ申請が承認されるまでの間は、一定の猶予期間(通常60日間)が設けられていますが、この期間を超えるとビザの条件に違反する可能性があるため注意が必要です。なお、永住権申請(186ビザTRTストリーム)の際には新しいスポンサー企業での勤務期間がカウントされるため、転職のタイミングは慎重に検討する必要があります。

Q5. 日本からオーストラリアへの赴任者にはどのビザが最適ですか?

日本企業がオーストラリア拠点に社員を赴任させる場合、赴任期間と目的によって最適なビザが異なります。数年間の一時的な赴任であればSIDビザ(最大4年)が適しており、長期的な駐在であればENSビザによる永住権取得も検討に値します。また、企業内転勤(Intra-Company Transfer)の場合は、SIDビザのCore Skills StreamまたはLabour Agreement Streamの活用が一般的です。赴任者の職種がCSOLに掲載されていること、給与が最低基準を満たしていることが前提条件となるため、赴任計画の早い段階でビザ要件を確認し、スポンサー登録やLMTの準備を進めることをお勧めします。

まとめ

オーストラリアの就労ビザ制度は、2024年12月のTSSビザからSIDビザへの移行、CSOLの導入、そして2025年7月の給与基準改定により、大きな転換期を迎えています。職務経験要件の1年への短縮や永住権申請までの期間の2年への短縮など、全体として外国人人材の受け入れをより柔軟にする方向への改正が進んでいます。

日本企業がオーストラリアで人材を雇用する際には、SIDビザ(482)を基本としつつ、雇用の目的や期間に応じてENSビザ(186)、RSMSビザ(187)、NIVビザ(858)などの選択肢を検討することが重要です。スポンサー登録やLMTの準備には一定の時間を要するため、採用計画の早い段階からビザ戦略を組み込んでおくことが成功の鍵となります。

オーストラリアの移民制度は今後も政策変更が続く可能性があるため、申請時点での最新情報を常に確認することが不可欠です。自社の状況に最適なビザの選択や具体的な申請手続きについては、専門家に相談されることをお勧めします。

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